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映画を通じて考える共生社会の実現【その4】

キューブラー・ロスの「死の受容プロセス」

主人公の怒りや戸惑い、再生への反転などを見ながら、キューブラー・ロス「死の受容プロセス」を思い出していました(劇中では誰も死にませんのでご安心を)

死の受容プロセス

否認 事実を受け入れられず、医者や検査結果などを疑い、否定する
怒り 「どうして自分が」と怒りを覚え、周囲に八つ当たりする
取引 死の恐怖から逃れようと、宗教や民間療法、寄付(の見返り)などにすがる
抑うつ 死は避けられないことを悟り、絶望して何も手に付かなくなる
受容 死を運命として受け入れ、心に安らぎを得る

主人公も最終的に“いまの自分”を受容したからこそ、事態を好転させることが出来ました。

もし彼がこの「死の受容プロセス」を知識として持っていたなら、荒れ狂う自分の感情を制御し、もっと楽に早く変われたんじゃないか?
いやいや、当事者が抱える心身の痛みは、理論なんかが癒せるものじゃないだろう…

…などと見終わってちょっとモヤっとしたのですが、上映後に実施された小島先生のワークショップがソリューションになりました。テーマは「共に創る共生社会への第一歩」です。
 

上映後のワークショップで理解が深まり内省につながる

グループに分かれ、印象に残ったシーンとその理由を個々が発表したのですが、全員が異なるシーンを挙げ、「え、そこ?なんで?」となるのが面白かったです。

映画の設定が等身大で日常に立脚しているから、みんな自らを投影しやすいシーンに反応するのですね。
初めてお会いした方々なのに、何だかパーソナリティが垣間見えて興味深かったです。

小島先生からは「立場が違えば物事の見え方も違う」「相手の行動を見るのではなく、その背景(何を背負ってどんな人生を歩んできたのか)を想像する」「違い自体ではなく、その先のミッションやゴールなど、お互いが共有できる事柄に視点を置く」といったことを教えて頂きました。

映画とワークショップがセットだったからこそ、さらに理解が深まり、半日のアクテイビティがキュッと締まったと思います。

パーキンソン病や共生社会の構築について知り、考えるだけに留まらず、私自身が自分の内面を省みる良いきっかけとなりました。貴重な機会を提供くださった小島希美先生と、夫君の古新舜監督に改めて御礼申し上げます。

檜山 敦子
健康経営エキスパートアドバイザー
中小企業診断士
※画像引用:「いまダンスをするのは誰だ?」公式サイトより引用

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