会長挨拶

企業の目的は、
人間の幸せの創造、その最適化を企てること

人材政策における課題

現在、日本の中小企業政策は「人材」を中心に据えた方向へと大きく舵を切っています。
中小企業庁が進める人材マネジメントの議論においても、人材の確保・定着に成功している企業には共通した“型”が存在することが示されています。
それは「採用」「育成」「環境整備」を一体的に設計し、人材を後付けの施策ではなく、経営そのものの基盤として位置付けている点にあります。

しかしながら、現場の企業支援に深く関わる中で、私たちは一つの課題に直面しています。
この“型”を導入するだけでは、企業は十分に変わり切らないという現実です。
採用しても定着しない、育成しても力を発揮しきれない、環境を整えても生産性が上がらない。
その背景には、従業員一人ひとりの健康状態、すなわちコンディションの問題が存在しています。

健康経営は福利厚生ではない

健康は単なる福利厚生ではありません。
企業活動における生産性の前提条件であり、付加価値を生み出すための基盤そのものです。
この視点を加えることで、人材マネジメントの“型”はさらに進化します。
すなわち「採用」「育成」「環境整備」に「健康」という要素を掛け合わせることで、企業の中に「価値が生まれ続ける構造」をつくることが可能となって「規模に関係なく」企業の力は最大化されるのです。

さらに、私たちはここにもう一つの重要な視点を加える必要があると考えています。
それは、企業における倫理観の醸成です。
どれほど制度や仕組みが整っていても、最終的に企業価値を支えるのは「人の判断」であり、その根底にある倫理観です。
近年、企業不祥事が社会に与える影響は極めて大きく、その多くは制度の不備というよりも、組織の疲弊や心理的余裕の欠如、そして倫理意識の低下から生じています。

健康経営の果たす重要な役割と私たち

この点において、健康経営は重要な役割を担います。
従業員が健全な状態で働ける環境は、判断力や規範意識を保つ基盤となり、不祥事の未然防止にもつながります。
すなわち、健康経営は単なる生産性向上の手段ではなく、企業の持続性と信頼性を支える“倫理の土台”でもあるのです。
それはあらゆる環境変化に強い組織基盤を築く事にもつながります。

健康ビジネス研究会は、この「人材マネジメント」「健康」「倫理」を統合した経営の実装を目指す組織です。
私たちは単なる情報交換の場ではなく、企業の中に価値が生まれ続ける構造を構築することを目的としています。
そのために、中小企業診断士を中心とし、産業医をはじめとするメディカルの知見、社会保険労務士による労務の専門性、さらには弁護士による法務の視点を統合し、健康経営エコシステムとして提供しています。

このエコシステムにより、経営課題の見立てから専門家の接続、現場での実装、そして再訪による検証までを一貫して行い、企業の変化を定着させていきます。
そして、健康状態の改善は生産性の向上へとつながり、やがて粗利の増加をもたらし、その結果として賃上げという形で企業と働く人双方に価値が還元されていきます。

これからの時代の研究会の形

これからの時代に求められるのは、単なる知識ではなく、構造を設計し実装できる力です。
健康ビジネス研究会は、その力を共に磨き、実践し、価値へと変えていく場でありたいと考えています。
そして最終的には、企業の不祥事を未然に防ぎ、持続的に成長し続ける経営基盤の確立にまで踏み込んでいくことを目標としています。
健康ビジネス研究会は“人材マネジメントを完成させる最後のピース”を学び合い、実践できる人材を目指す研究会です。

今後とも、皆様のご理解とご参画を心よりお願い申し上げます。


一般社団法人東京都中小企業診断士協会 認定
健康ビジネス研究会 会長 弥冨 尚志

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