この研究成果発表では、東京都の健康宣言事業である健康企業宣言『銀の認定』の制度概要及び取組について、全9回に分けて説明させていただきます。
執筆者 江崎 泰将
中小企業診断士/健康経営エキスパートアドバイザー/健康ビジネス研究会・理事/
健康企業宣言東京推進協議会 金の認定ワーキンググループ 委員
東京都出身。経営コンサルティング会社を経て、2016年に独立。2012年中小企業診断士登録。
健康経営アドバイザー・エキスパートアドバイザー研修のテキスト執筆・研修コンテンツ作成・講師などに携わる。銀の認定、健康経営優良法人認定取得支援に多くの実績を有する。
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- 目次
1. 健康宣言事業
まずは、健康宣言事業について確認していきたいと思います。
健康宣言事業とは、企業全体で健康づくりに取り組むことを宣言し、その取り組みのサポートを協会けんぽや健保組合等が行う事業です。事業主と保険者のコラボヘルスを具現化する仕組みとして健康宣言事業が始まりました。それぞれの県で独自に運営されております。各都道府県で事業の呼び名も異なります。東京都の健康宣言事業は「健康企業宣言」と呼ばれております。
「健康企業宣言」の申し込みには、Step1とStep2があります。初めて申し込む方はStep1から申し込むことになります。Step1をクリアすれば、Step2を申し込むことができます。それぞれのStepで優良企業を認定しています。Step1は『銀の認定』、Step2は『金の認定』と呼んでおります。ちなみに、東京都で健康経営優良法人(中小規模法人部門)を目指す場合は『銀の認定』が必須となります。
なお、『銀の認定』の取組は、「職場の健康づくり、環境整備」がテーマとなっており、健康経営のスタートラインと言える取組です。初めて健康経営に取組む際には、まずは『銀の認定』の取組にチャレンジすることをお勧めします。
2. 『銀の認定』の制度概要
次に『銀の認定』の制度概要について確認していきたいと思います。
まず、申請できる対象法人ですが、企業規模は問いません。次に認定条件ですが、健康企業宣言後に『銀の認定』の取組を6ヶ月以上実施し、80点以上を満たす必要があります。申請書類は、「実施結果レポート」と取組内容を示す根拠となる「資料(エビデンス)」を提出する必要があります。申請期限は、協会けんぽ東京支部は毎月20日締切、健保連東京連合会は毎月末日締切(※各健保組合で締切を設けている場合があるので加入している健保組合にお問い合わせください)となっております。認定期間は1年で、更新制度があります。
参考:健保連東京連合会「健康企業宣言銀の認定研修会」
『銀の認定』には、7分野18項目の質問(取組)があります。それぞれ18項目の質問(取組)には異なる配点がなされています。上述した通り、『銀の認定』を取得するためには、6ヶ月以上取り組みを行い、100点中80点以上を取得する必要があります。なお、7分野18項目の各質問(取組)については別の回で詳細に確認していきます。
出典:協会けんぽ東京支部 健康企業宣言 Step1 チェックシート
最後に、『銀の認定』の各取組に関する共通事項について下記にまとめましたので、ご確認ください。
・本社のみ、支店のみ、工場のみ等、一部の事業場ではなく企業全体の取組であること
・過去に行った単年の取組ではなく、今後も継続的な取組であること
・宣言から6ヶ月以上取り組むこと
・取組を証明する根拠資料(エビデンス)を設問ごとに提出すること
※エビデンスがない場合は採点不能で最低点の1点が配点される
参考:健保連東京連合会「健康企業宣言銀の認定研修会」
注意事項および参考資料
注意事項
今回の『銀の認定』の制度概要の説明に関しては、2023年度の申請書類をもとに作成しています。取組内容や採点基準については都度更新されていますので、年度が変わっている場合は必ず最新版の申請書類をご確認ください。
参考資料
健保連東京連合会HP:健康企業宣言「銀の認定」・「金の認定」を目指しましょう
https://www.kprt.jp/contents/health/
健保連東京連合会:「健康企業宣言銀の認定研修会」資料
協会けんぽ東京支部HP:健康企業宣言とは
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/tokyo/cat070/collabo271210-1/
関東ITソフトウエア健康保険組合:「銀の認定」解説と添付資料例 R5.5更新