執筆講演成果

健康企業宣言『銀の認定』について(第9回)

この研究成果発表では、東京都の健康宣言事業である健康企業宣言『銀の認定』の制度概要及び取組について、全9回に分けて説明させていただきます。

第9回(最終回)は、7分野18項目の質問(取組)のうち、取組分野「心の健康」の⑰⑱の2つの質問(取組)について確認していきます。

執筆者 江崎 泰将
中小企業診断士/健康経営エキスパートアドバイザー/健康ビジネス研究会・理事/
健康企業宣言東京推進協議会 金の認定ワーキンググループ 委員
東京都出身。経営コンサルティング会社を経て、2016年に独立。2012年中小企業診断士登録。
健康経営アドバイザー・エキスパートアドバイザー研修のテキスト執筆・研修コンテンツ作成・講師などに携わる。銀の認定、健康経営優良法人認定取得支援に多くの実績を有する。

    • 目次

 

心の健康

質問⑰:従業員の心の健康に関する取組をしていますか?

質問⑰の取組は3点満点となっております(表17-1参照)。全従業員への心の健康に関する理解の普及・情報提供等(セルフケア)の取組を行っていれば3点となります。管理職のみに研修を実施するなど対象者が限定されている場合は2点となります。また、健保連東京連合会では、3点(満点)の取組を「1カ月以上6カ月未満」実施していれば2点となります。なお、それ以外の取組は1点となります。

表17-1:配点表(質問⑰)

配点 採点基準
3 全従業員への心の健康に関する理解の普及・情報提供等(セルフケア)の取組が書面等により確認できる
2 ・管理職のみに研修を実施するなど対象者が限定されている
※3点(満点)の取組期間が1カ月以上6カ月未満【健保連東京連合会のみ】
1点 ・上記以外

また、各保険者の採点基準表は下記の通りとなっております(表17-2、表17-3参照)。

表17-2:採点基準表(健保連東京連合会) 質問⑰のみ抜粋

表17-3:採点基準表(協会けんぽ東京支部) 質問⑰のみ抜粋

最後に申請に必要なエビデンスと取組(質問⑰)のポイントについて以下にまとめましたので参考にしてください。

【エビデンス】

  • 心の健康に関する定期的な情報提供、セミナー等の周知・案内文(紙⾯配布、メール、社内回覧、貼紙など)
    ※周知・案内した日付が記載されていること
  • 心の健康に関するセミナー資料&受講対象者を確認できる資料
    ※セミナーを実施した日付が記載されていること
【ポイント】

  • 従業員の心の健康状態に配慮していることを評価します。具体的には、従業員に対して心の健康に関する理解の普及・情報提供等(セルフケア)の取組を行っていることが評価されます。
  • 全従業員を対象に実施している必要があります。したがって、管理職のみ(ラインケア研修)など⼀部の従業員向けに研修を⾏っている場合は2点となります。
  • 3点(満点)の取組期間が1カ月以上6カ月未満の場合、健保連東京連合会なら2点の配点、協会けんぽ東京支部なら1点の配点になります。
  • “50名未満の事業所によるストレスチェックの実施”は2点となります。なお、“50名以上の事業所によるストレスチェックの実施”は法令義務なので非該当で1点となります。
  • 下記のような取組が該当(3点)となります。
    【取組例
    全従業員を対象にメンタルヘルスのセミナー(オンライン研修・動画研修含む)を実施した

    全従業員を対象にメンタルヘルスセルフケアについて、定期的に情報を発信している
  • 下記のような取組が非該当(1点)となります。
    【非該当例】
    単なる業務に関連する報告、連絡、進捗確認、情報共有等(⼼の健康状態に配慮していないので非該当)

    50名以上の事業所によるストレスチェックの実施(法令義務なので非該当)

質問⑱:気になることを相談できる職場の雰囲気を作っていますか?

質問⑱の取組は3点満点となっております(表18-1参照)。社内または社外に心の健康(メンタルヘルス)に関する相談窓口を設け、文書や掲示による周知をしていれば3点となります。相談窓口を設置しているが、社内全体への周知が不十分の場合は2点となります。また、健保連東京連合会では、3点(満点)の取組を「1カ月以上6カ月未満」実施していれば2点となります。なお、それ以外の取組は1点となります。

表18-1:配点表(質問⑱)

配点 採点基準
3 ・社内または社外に心の健康(メンタルヘルス)に関する相談窓口を設け、文書や掲示による周知を社内全体にしていることが把握できる
2 ・社内または社外に心の健康(メンタルヘルス)に関する相談窓口を設けているが、社内周知が不十分な場合
※3点(満点)の取組期間が1カ月以上6カ月未満【健保連東京連合会のみ】
1点 ・上記以外

また、各保険者の採点基準表は下記の通りとなっております(表18-2、表18-3参照)。

表18-2:採点基準表(健保連東京連合会) 質問⑱のみ抜粋

表18-3:採点基準表(協会けんぽ東京支部) 質問⑱のみ抜粋

最後に申請に必要なエビデンスと取組(質問⑱)のポイントについて以下にまとめましたので参考にしてください。

【エビデンス】

  • 従業員への相談窓口の周知・案内文(紙⾯配布、メール、社内回覧、貼紙など)
    ※周知・案内した日付が記載されていること
  • 相談窓口の体制図など
    ※体制が確立された日付が記載されていること
【ポイント】

  • 従業員の⼼の健康に関して常時相談できる場所(窓⼝)を設置・周知していることを評価します。
  • 社内又は社外に相談窓口を設置し、社内全体に周知していることが把握できれば3点となります。相談窓口を設置しているが、社内全体への周知が不十分の場合は2点となります。
  • 3点(満点)の取組期間が1カ月以上6カ月未満の場合、健保連東京連合会なら2点の配点、協会けんぽ東京支部なら1点の配点になります。
  • 社内の相談窓口を設置する場合には、直属の上司ではなく、事業場内産業保健スタッフ等(衛生管理者、産業医、保健師、心の健康づくり専門スタッフ、人事労務管理スタッフなど)の人材を配置することを検討してみましょう。
  • 社外の相談窓口には無料で相談できる専門的な窓口(こころの耳、地域産業保健センターなど)もありますので、是非、社外の相談窓口の設置も検討しましょう。
    こころの耳:https://kokoro.mhlw.go.jp/soudan/
    地域産業保健センター(東京都):https://www.tokyos.johas.go.jp/region.html
  • 下記のような取組が非該当(1点)となります。
    【非該当例】
    相談窓⼝が直属の上司の場合
    単なる業務上の相談・面談の実施(心の健康相談に該当しない)
    ⽉1回などの産業医による健康相談(常時相談ができないため非該当)

以上、東京都の健康宣言事業である健康企業宣言『銀の認定』の制度概要及び取組について、全9回に分けて説明させていただきました。参考としていただければ幸いです。なお、この情報のご利用には以下の注意事項をご確認の上、ご自身の責任でご活用ください。

 

注意事項および参考資料

注意事項
今回の『銀の認定』の制度概要の説明に関しては、2023年度の申請書類をもとに作成しています。取組内容や採点基準については都度更新されていますので、年度が変わっている場合は必ず最新版の申請書類をご確認ください。

参考資料
健保連東京連合会HP:健康企業宣言「銀の認定」・「金の認定」を目指しましょう
https://www.kprt.jp/contents/health/
健保連東京連合会:「健康企業宣言銀の認定研修会」資料
協会けんぽ東京支部HP:健康企業宣言とは
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/tokyo/cat070/collabo271210-1/
関東ITソフトウエア健康保険組合:「銀の認定」解説と添付資料例 R5.5更新

 

TOP