この研究成果発表では、東京都の健康宣言事業である健康企業宣言『銀の認定』の制度概要及び取組について、全9回に分けて説明させていただきます。
第8回は、7分野18項目の質問(取組)のうち、取組分野「職場の禁煙」の⑮⑯の2つの質問(取組)について確認していきます。
執筆者 江崎 泰将
中小企業診断士/健康経営エキスパートアドバイザー/健康ビジネス研究会・理事/
健康企業宣言東京推進協議会 金の認定ワーキンググループ 委員
東京都出身。経営コンサルティング会社を経て、2016年に独立。2012年中小企業診断士登録。
健康経営アドバイザー・エキスパートアドバイザー研修のテキスト執筆・研修コンテンツ作成・講師などに携わる。銀の認定、健康経営優良法人認定取得支援に多くの実績を有する。
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- 目次
職場の禁煙
質問⑮:従業員にたばこの害について周知活動をしていますか?
質問⑮の取組は3点満点となっております(表15-1参照)。たばこの害がもたらす健康被害を書面やセミナー等により社内で共有していれば3点となります。次に、2点の配点では、健保連東京連合会と協会けんぽ東京支部で採点基準が若干異なります。健保連東京連合会では、「3点(満点)の取組期間が1カ月以上6カ月未満」であれば2点となります。協会けんぽ東京支部では、「文書や掲示による周知のみ、部分的な周知・社内教育の実施」の場合は2点となります。なお、それ以外の取組は1点となります。
表15-1:配点表(質問⑮)
配点 | 採点基準 |
3点 | ・たばこの害がもたらす健康被害を書面やセミナー等により、社内で共有している実績がある |
2点 | 【健保連東京連合会】 ・3点(満点)の取組期間が1カ月以上6カ月未満 【協会けんぽ東京支部】 ・文書や掲示による周知のみ、あるいは部分的な周知、社内教育等を行っている |
1点 | 上記以外 |
また、各保険者の採点基準表は下記の通りとなっております(表15-2、表15-3参照)。
表15-2:採点基準表(健保連東京連合会) 質問⑮のみ抜粋
表15-3:採点基準表(協会けんぽ東京支部) 質問⑮のみ抜粋
最後に申請に必要なエビデンスと取組(質問⑮)のポイントについて以下にまとめましたので参考にしてください。
【エビデンス】
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【ポイント】
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質問⑯:受動喫煙防止策を講じていますか?
質問⑯の取組は3点満点となっております(表16-1参照)。全事業場での受動喫煙を防⽌する具体的な措置が講じているかが問われています。「第一種施設(学校、病院、児童福祉施設等)」か「第二種施設(事務所、飲食店、宿泊施設等)」で防止策が異なってきます。
第一種施設では、「屋内、屋外とも喫煙室・喫煙所が設置されておらず、かつ勤務時間内禁煙している」あるいは「文書や掲示による周知を行い、屋外に喫煙室・喫煙所が設置されており、勤務時間内禁煙あるいは分煙している」場合は3点となります。「屋外に喫煙室・喫煙所が設置されているが文書や掲示による周知がされていない」場合は2点となります。それ以外の取組は1点となります。
第二種施設では、「屋内、屋外とも喫煙室・喫煙所が設置されておらず、かつ勤務時間内禁煙している」あるいは「文書や掲示による周知を行い、屋内または屋外に喫煙室・喫煙所が設置されており、勤務時間内禁煙あるいは分煙している」場合は3点となります。「屋内、屋外ともまたはどちらか一方に喫煙室・喫煙所が設置されているが、文書や掲示による周知がされていない」場合は2点となります。それ以外の取組は1点となります。
第一種施設と第二種施設の共通事項として、「喫煙者を採用しない社内規定やルールがあり、規定等策定以前から喫煙者について勤務時間内禁煙あるいは分煙している」場合は3点となります。「禁煙や分煙対策として、喫煙室等を設置せず、アイコス等電子タバコへの移行を行っている」「喫煙室・喫煙所の設置場所が不適当」な場合は1点となります。
表16-1:配点表(質問⑯)
配点 | 採点基準 |
3点 | 【第一種施設(学校、病院、児童福祉施設等)】 ・屋内、屋外とも喫煙室・喫煙所が設置されておらず、かつ勤務時間内禁煙している ・文書や掲示による周知を行い、屋外に喫煙室・喫煙所が設置されており、勤務時間内禁煙あるいは分煙している 【第二種施設(事務所、飲食店、宿泊施設等)】 ・屋内、屋外とも喫煙室・喫煙所が設置されておらず、かつ勤務時間内禁煙している ・文書や掲示による周知を行い、屋内または屋外に喫煙室・喫煙所が設置されており、勤務時間内禁煙あるいは分煙している 【第一種、二種共通】 ・喫煙者を採用しない社内規定やルールがあり、規定等策定以前から喫煙者について勤務時間内禁煙あるいは分煙している |
2点 | 【第一種施設(学校、病院、児童福祉施設等)】 ・屋外に喫煙室・喫煙所が設置されているが文書や掲示による周知がされていない 【第二種施設(事務所、飲食店、宿泊施設等)】 ・屋内、屋外ともまたはどちらか一方に喫煙室・喫煙所が設置されているが、文書や掲示による周知がされていない |
1点 | 【第一種、二種共通】 ・上記以外 ・禁煙や分煙対策として、喫煙室等を設置せず、アイコス等電子タバコへの移行を行っている ・喫煙室・喫煙所の設置場所が不適当 |
また、各保険者の採点基準表は下記の通りとなっております(表16-2、表16-3参照)。
表16-2:採点基準表(健保連東京連合会) 質問⑯のみ抜粋
表16-3:採点基準表(協会けんぽ東京支部) 質問⑯のみ抜粋
最後に申請に必要なエビデンスと取組(質問⑯)のポイントについて以下にまとめましたので参考にしてください。
【エビデンス】
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【ポイント】
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注意事項および参考資料
注意事項
今回の『銀の認定』の制度概要の説明に関しては、2023年度の申請書類をもとに作成しています。取組内容や採点基準については都度更新されていますので、年度が変わっている場合は必ず最新版の申請書類をご確認ください。
参考資料
健保連東京連合会HP:健康企業宣言「銀の認定」・「金の認定」を目指しましょう
https://www.kprt.jp/contents/health/
健保連東京連合会:「健康企業宣言銀の認定研修会」資料
協会けんぽ東京支部HP:健康企業宣言とは
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/tokyo/cat070/collabo271210-1/
関東ITソフトウエア健康保険組合:「銀の認定」解説と添付資料例 R5.5更新