「銀の認定」の申請において、定期的な情報発信などを行う際のエビデンス提出の留意点について確認したいと思います。
例えば、⑫の取組「従業員の日頃の食生活が乱れないような取組みを行っていますか?」という質問で、「健康企業宣言」以前から3ヶ月に1回、社内報で食生活に関する情報を発信していた場合を考えてみます。
まず、次のような条件設定を行います。
【条件設定】
・社内報は毎年、3月、6月、9月、12月に発行
・健康経営の取組スタートは令和6年2月1日(※健康企業宣言日は令和6年1月15日)。
・取組開始から6か月後の7月31日に「銀の認定」を申請
図1:エビデンスの提出の際の留意点
上記条件のもと「銀の認定」の申請を行った場合、6か月の取組期間のエビデンスは3月、6月になります(図1参照)。
ここで注意が必要なのは、⑫の取組スタートが健康企業宣言日以前から行っていた取組であることをしっかりと証明しておかなければ、⑫の取組のスタートは3月からとみなされてしまう可能性があります。
その場合、3月から7月までの5か月間の取組であると判定され、6か月以上の取組に満たないので配点が低くなってしまいます。
これは書類審査のみという弊害でもあります。
そのため、健康企業宣言日以前のから実施していた取組は、健康企業宣言日以前から取り組んでいた旨を説明するとともに、それ以前に取り組んでいたエビデンスも参考に提出することをお勧めします。
つまり、この例ですと令和5年12月の社内報の情報となります。そうすることで、健康企業宣言日以前から取り組んでいることを証明できます。
また、進捗管理表などを作成する際にも健康企業宣言日以前からの取組であることは、審査側にもしっかりと伝わるようにアピールしておきましょう(図2参照)。
図2:健康企業宣言日以前の取組のアピール
「銀の認定」を申請する際のエビデンス提出の留意点として参考になれば幸いです。
注意事項
今回の『銀の認定』の制度概要の説明に関しては、2023年度の申請書類をもとに作成しています。取組内容や採点基準については都度更新されていますので、年度が変わっている場合は必ず最新版の申請書類をご確認ください。
参考資料
健保連東京連合会HP:健康企業宣言「銀の認定」・「金の認定」を目指しましょう
https://www.kprt.jp/contents/health/
健保連東京連合会:「健康企業宣言銀の認定研修会」資料
協会けんぽ東京支部HP:健康企業宣言とは
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/tokyo/cat070/collabo271210-1/
関東ITソフトウエア健康保険組合:「銀の認定」解説と添付資料例 R5.5更新
江崎 泰将
中小企業診断士
健康経営エキスパートアドバイザー
健康ビジネス研究会・理事