人的資本経営を支える健康経営の進め方
2023年8月 健康ビジネス研究会「定例会」
今回は外部講師をお招きして実施させていただきました。
前回もお話しがありました「人的資本経営」も絡めながら、健康経営の詳細について、お話しを聞ける非常に貴重な機会でした。今年度の健康経営度調査票のポイントについても触れて頂きました。
日時 | 令和5年8月28日(月)19:00~ 20:30(Zoom開催) |
講演テーマ | 人的資本経営を支える健康経営の進め方 |
講師 | 産業医科大学 森 晃爾(もり こうじ) 先生 |
出席者 | 52名 |
内容 |
※今回もZoomを利用したリモート配信となりました。 |
講演内容
プレゼンティーイズムの改善のために健康経営のPDCAが必要となること。これは、今までもこの研究会で見てきたところですが、ただ、これを中小企業に導入していくのは難しい側面があります。
でも一方で、「健康増進プログラムの参加率に与える組織支援の影響」の解説では、「健康経営は規模が小さな企業のほうが導入は容易である」との話を頂き、それは「そのとおりだろうな」と思ったわけですが、実際にどうするのか。
会員の質問の回答として、「組織のヘルスリテラシー」というお話があり、組織支援は「個人の足し算ではない」というのは、まさしく非常にそのとおりだと思い、組織としてのアプローチの重要性を感じました。
そういったなか、本日のお話の中では、「無形資源」のお話も出てきました。
「無形資源の蓄積は健康経営の流れで育つのではないか?」、つまり、「健康増進プログラムへの参加を通じて、無形資源の蓄積につながる」ということです。
そして、その参加率に影響を与えているのがPOS(知覚された組織的支援:Perceived Organizational Support)で、我々の支援におけるヒントがPOSとOFTP(職業上の未来展望:Occupational Future Time Perspective)にあるのだと教えて頂きました。
そのためには経営層のPOSをいかに高めるかということ、そしてOFTPを高められる組織風土を作れるか、結局はトップの経営理念的な「思い」の部分による影響が大きいと感じました。
また、年齢とワークエンゲージメントの話で、会長からの質問にもあった「熟達目標理論と事業承継」の関係性の話にも通じてくるとも思った次第です。
このPOSとOFTPのお話、結構、本質的な組織課題の解決に向けたヒントが満載な気がしています。
POSとOFTPのところは、個人的にもしっかりと深掘りして学びたいと思いましたし、会員のみなさんも、個々に色々なヒントを得られたのではないかと思います。
森先生、本日は貴重なお話を、どうもありがとうございました。
※写真はイメージです。